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障害者雇用と一般雇用の違い|支援員が見る向き不向きの判断基準

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「障害者雇用と一般雇用、どちらを選べばいいかわからない」
就活を始めようとして、こう迷う方は少なくありません。

診断を受けてから就活を考え始めた方や、一般雇用で働きづらさを感じている方から、「自分はどちらに向いているのか」というご相談をよく受けます。

この記事では、両者の違い・メリット・デメリット・選び方の判断軸を、就労移行支援の現役支援員がやさしく整理します。

迷いやすいポイントと決め方のヒントを、現場で多い質問とあわせてお伝えします。

今回の記事でわかること

  • 障害者雇用と一般雇用の基本的な違い
  • 障害者雇用のメリット・デメリット
  • 一般雇用のメリット・デメリット
  • 支援員から見る「向いている人」の特徴
  • 「やめとけ」と言われる理由と実情
  • 迷ったときの3つの判断軸

障害者雇用と一般雇用の基本的な違い

障害者雇用と一般雇用は、応募条件・配慮の有無・給与水準・求人数で明確に異なります。

まずは違いを表で確認しておきましょう。

項目 障害者雇用 一般雇用
応募条件 障害者手帳が必要 誰でも応募可
配慮 障害特性に応じた配慮あり 原則なし
給与水準 一般雇用より低めの傾向 職種・能力に応じる
求人数 限定的 圧倒的に多い
障害の開示 開示前提 開示・非開示を選べる
法的位置づけ 障害者雇用促進法で企業に雇用義務 通常の労働契約

障害者雇用の位置づけ

近年、障害者雇用は「企業の法的義務や社会貢献活動」という位置づけから、人材不足を背景にした重要な雇用施策へと大きく変化しています。

かつては法定雇用率(企業に課せられた障害者雇用の最低割合)を満たすための取り組みという意味合いが強くありましたが、現在は障害のある方の多様なスキルや視点に着目し、戦力として積極的に採用する企業が増えてきました。

制度面では、民間企業の法定雇用率は2024年4月時点で2.5%、2026年7月からは2.7%へ段階的に引き上げられる予定です。

求人の探し方

雇用区分 主な求人源
障害者雇用 ハローワーク専門窓口・障害者専門の求人サイト(atGP・dodaチャレンジ・LITALICO仕事ナビ等)
一般雇用 一般の求人サイト・ハローワーク

ハローワークでの相談先は障害者向けの専門窓口です。

ハローワーク障害者窓口の使い方で、一般窓口との違いと利用の流れをくわしく解説しています。

応募時の手帳の必要性

障害者雇用に応募するには、原則として障害者手帳の取得が必須です。手帳の取得については別記事で解説しています。

一般雇用は手帳の有無に関係なく応募できます。

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障害者雇用のメリット・デメリット

障害者雇用と一般雇用のメリット・デメリットを比較した図

障害者雇用は配慮を受けながら長く働ける反面、給与や職種で制約があります。

障害者雇用のメリット

  • 配慮を受けながら働ける
    勤務時間の短縮・業務内容の調整・通院日への配慮など、障害特性に応じた合理的配慮を受けられます。「無理して合わせなくていい」という安心感は、長く働く上で大きな支えになります。
  • 通院・体調への理解が得やすい
    精神疾患のある方は定期通院が欠かせないケースが多くあります。障害者雇用なら通院時間の確保や、体調不良時の早退・休職への理解が得やすい環境です。
  • 長く働き続けやすい
    厚生労働省の調査でも、障害者雇用は一般雇用と比較して定着率が高い傾向にあります。短期的な給与より長期的な安定を重視したい方には大きな利点といえます。

障害者雇用のデメリット

  • 給与水準が低めの傾向
    厚労省「障害者雇用実態調査」によると、障害者雇用の平均賃金は職種や障害種別で差があるものの、一般雇用と比較すると低めの水準です。賞与・昇給機会も限定的なケースが目立ちます。
  • 求人数・職種が限定的
    大企業中心で、職種は事務系・軽作業が中心です。専門職・クリエイティブ職の求人は一般雇用と比べて少なくなります。
ポイント

給与差は事実ですが、長期的な定着率や通院との両立を含めた「総合的な価値」で判断すると、見え方が変わります。

一般雇用のメリット・デメリット

一般雇用は選択肢の幅と給与水準が魅力ですが、配慮が受けづらい現実があります。

一般雇用のメリット

  • 求人数・職種が圧倒的に多い
    業種・職種・働き方の選択肢は、障害者雇用とは比較になりません。中小企業から大企業、リモートワーク・フレックスタイムなど、柔軟な働き方も選べます。
  • 給与・キャリアアップの幅
    能力や経験に応じた評価が受けやすく、専門性を伸ばしながら昇給を狙えます。キャリア形成の自由度が高いのは一般雇用ならではの強みです。

一般雇用のデメリット

  • 障害特性への配慮が受けづらい
    一般雇用の職場は「障害があることが前提」ではないため、合理的配慮を受けたい場合は自分から伝える必要があります。職場の理解度や上司との関係性で得られる配慮に差が出やすい点は知っておきたいところです。
  • クローズ就労のリスク
    障害を開示せずに働く「クローズ就労」を選ぶ方もいますが、短期的には可能でも、体調を崩したときのフォロー体制が無くなるリスクを抱えます。開示せずに合理的配慮を求めることは制度上できません。クローズ就労は「特性を理解されないまま働く」状態です。体調が安定しないまま選ぶと、結果的に短期離職につながりやすい傾向があります。

支援員から見る「障害者雇用が向いている人」の特徴

体調管理や配慮が必要な方は、障害者雇用を選択肢として持っておく価値が高くなります。

障害者雇用と一般雇用、それぞれ向いている人の特徴を示した図

① 体調の波があり、勤務時間の調整が必要な方

精神疾患のある方は、調子の良い時期と悪い時期の差が出やすいものです。

短時間勤務から始めて段階的に時間を伸ばすなど、柔軟な働き方ができる障害者雇用は選択肢として有効です。

② 障害特性で苦手な業務がはっきりしている方

「電話対応が苦手」「マルチタスクが難しい」など具体的な苦手分野がある方は、業務内容の調整が受けやすい障害者雇用が向いています。

③ 長期的に安定して働きたい方

短期間で転職を繰り返すより、ひとつの職場で着実に経験を積みたい方には、定着率の高い障害者雇用が合いやすい傾向にあります。

支援員から見る「一般雇用が向いている人」の特徴

体調が安定しキャリアを伸ばしたい方は、一般雇用も十分に選択肢になります。

① 体調が安定しており配慮を強く必要としない方

服薬や通院でしっかりコントロールできていて、業務に大きな支障がない方は一般雇用でも問題なく続けやすくなります。

② キャリアアップ・専門性を伸ばしたい方

特定の専門スキルを伸ばしたい・管理職を目指したいといった志向がある方は、選択肢の広い一般雇用が向きます。

③ 給与水準を優先したい方

家計を支える立場の方や、貯蓄・将来設計を重視したい方は、給与水準の高い一般雇用を検討する価値があります。

「障害者雇用はやめとけ」と言われる理由と実情

検索でよく見かける「障害者雇用はやめとけ」という言葉には、主に給与と職種の制限が背景にあります。

事実を整理すると判断しやすくなります。

給与・賞与が低めなのは事実

厚労省データでも一般雇用との給与差は確認できます。

「やめとけ」と発信する方の多くは、この給与差を主な理由に挙げています。

職種の選択肢が限られる

専門職・クリエイティブ職を目指す方からすると、障害者雇用の求人は物足りなさを感じる場合があります。

一方で「合う人にとってはベスト」な制度

ただし、体調管理が必要・配慮が必要・長く働きたい方にとっては、障害者雇用が最適解になることも珍しくありません。

支援員

「障害者雇用はやめとけ」という言葉だけが独り歩きしがちですが、合う人にとっては長く安心して働ける制度です。数字だけでなく、自分が続けやすいかで考えてみてください。

迷ったときの3つの判断軸

迷ったら、次の3つの軸で自分の状況を整理してみてください。

① 配慮は必要か(勤務時間・業務内容・通院など)
② 体調に波があるか
③ 安定を優先か、収入・キャリアを優先か

どちらが正解という話ではなく、自分に合うほうを選べば大丈夫です。

支援員

どちらが正解というものではありません。今の自分に合うほうを選べば大丈夫ですし、働きながら合わなければ見直せます。焦らず選んでいきましょう。

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▼ 面接で聞かれる質問と答え方

障害者雇用の面接対策

まとめ

障害者雇用と一般雇用は、どちらが優れているという話ではなく、その方の状況に合う方を選ぶものです。

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • 障害者雇用は配慮あり・給与は低めの傾向、長期的な安定が強み
  • 一般雇用は選択肢豊富・配慮は受けづらい、キャリアと収入が強み
  • 「やめとけ」は給与・職種制限が主な理由。合う人にとってはベストな制度
  • 判断軸は体調・配慮の必要性・給与とキャリアの優先度の3つ
  • どちらも選択肢として持っておくのが現実的

迷ったときは、ハローワークや就労移行支援の見学から始めてみてください。

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※本記事は2026年5月時点の情報です。法定雇用率や制度は改正される可能性があるため、最新情報は厚生労働省や自治体公式サイトでご確認ください。

※執筆:ふくしのとびら編集部(就労移行支援・自立訓練事業所 現役支援員)

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