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就労定着支援とは?対象者・期間・受けられる支援を支援員が解説

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「就労移行支援を卒業して就職したけれど、職場で困ったときに誰に相談すればいいの?」「就職した後の支援って続くの?」。一般就労で働き始めた当事者の方やご家族から、現場でよくいただくご相談です。

そんなとき頼りになるのが 「就労定着支援」 という障害福祉サービスです。就労移行支援などを経て一般就労した方が、就職後の職場定着のために最大3年間にわたって支援員と面談を続けられる制度です。

「働き始めてからのほうが、実は不安や課題が次々出てくる」というのが多くの方の本音だと思います。職場の人間関係、業務量、体調管理、合理的配慮の追加交渉…。これらを一人で抱えず、月1回でも支援員と話せる場があるだけで、長く働ける可能性が大きく変わります。

この記事では、就労定着支援の基本・対象者・利用期間・受けられる支援内容・就労移行支援との違い・利用開始までの流れを、現役の支援員がやさしく解説します。「定着支援が終わった後の継続支援先」までお伝えします。

今回の記事でわかること

  • 就労定着支援は就労移行支援等を経て就職した方の職場定着を支える制度
  • 利用期間は就職後6か月経過後から最大3年間
  • 月1回以上の本人面談・職場との連絡調整・生活面の相談を提供
  • 利用料は1割負担(多くの方が実質無料〜低額)
  • 定着支援終了後は障害者就業・生活支援センター等へ引き継ぎ
  1. 就労定着支援とは?基本を押さえる
    1. 制度の目的
    2. 障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つ
    3. 「就職してからの伴走支援」と覚える
  2. 対象になる方の条件
    1. ① 就労移行支援等を経て一般就労した方
    2. ② 就職から6か月が経過していること
    3. ③ 障害者手帳の有無は問わない
  3. 利用期間と使えるタイミング
    1. 最大3年間(就職7か月目〜就職3年6か月まで)
    2. 1年ごとの更新制
    3. 期間内であれば中断・再開も可能
  4. 受けられる支援の内容
    1. 月1回以上の本人面談
    2. 職場との連絡調整(上司・人事との橋渡し)
    3. 課題整理・解決のサポート
    4. 生活面の相談(生活リズム・家計など)
    5. 料金(自治体9割負担・自己負担は1割)
  5. 就労移行支援との関係・違い
    1. 役割の違い
    2. 同じ事業所が両方提供することが多い
  6. 利用開始までの流れ(5ステップ)
    1. ① 就職前から定着支援の利用を視野に入れる
    2. ② 就労移行支援事業所と相談
    3. ③ 受給者証の発行(自治体)
    4. ④ 定着支援事業所と契約
    5. ⑤ 月1回以上の面談がスタート
  7. 支援員視点|定着支援を活かすコツと終了後の継続支援
    1. コツ① 「ただ会うだけ」にしない
    2. コツ② 職場との橋渡し役として使う
    3. コツ③ 課題が小さいうちに相談
    4. 3年後の継続支援先:障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)
    5. ハローワーク・医療機関との連携
  8. まとめ
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就労定着支援とは?基本を押さえる

制度の目的

就労定着支援は、障害のある方が一般就労を続けられるよう、職場で起こる困りごとを支援員が伴走しながら整理する障害福祉サービスです。「就職して終わり」ではなく、「就職後にこそ支援が必要」という現場の声に応える形で2018年に始まりました。

障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスの一つ

就労定着支援は障害者総合支援法に位置づけられた障害福祉サービスで、運営は厚生労働省が所管、実施は市区町村が窓口です。就労移行支援と同じ法律のもとにある仕組みで、相互に連携しやすい設計になっています。

「就職してからの伴走支援」と覚える

就労移行支援が「就職を目指す訓練の場」だとすれば、就労定着支援は「就職した後の伴走支援」です。月1回以上の面談を通じて、職場の課題を早めに見つけ、解決の手助けをしてくれます。

対象になる方の条件

就労定着支援を利用するには、以下の3つの条件すべてを満たす必要があります。

① 就労移行支援等を経て一般就労した方

対象となるのは、次の福祉サービスを経て一般就労した方です。

  • 就労移行支援
  • 就労継続支援A型・B型(→ A型・B型の違い
  • 生活介護
  • 自立訓練

ハローワークや求人サイトを通じて直接就職した場合は対象外になることがあるため、心配な方は市区町村の障害福祉窓口で確認してください。

② 就職から6か月が経過していること

就職直後の6か月間は、就労移行支援事業所が提供する「就職後の定着支援」(移行支援の延長)が続きます。その期間が終わってから、就労定着支援に切り替わる形になります。

③ 障害者手帳の有無は問わない

障害者手帳がなくても、市区町村が発行する受給者証で利用できます。手帳取得に踏み切れていない方も、相談の入り口になります。

ポイント

就職後6か月の経過がポイントです。「就職直後から定着支援を使う」のではなく、最初の6か月は移行支援事業所の定着支援、その後3年間が就労定着支援、と段階で覚えるとスッキリします。

利用期間と使えるタイミング

最大3年間(就職7か月目〜就職3年6か月まで)

就労定着支援の利用期間は最大3年間です。就職してから6か月が経過した翌月から利用開始でき、就職3年6か月までが期限になります。

1年ごとの更新制

受給者証は1年ごとに更新が必要です。本人の状況や支援の必要性を見ながら、1年単位で延長していくイメージです。

期間内であれば中断・再開も可能

体調を崩して休職した、転職した、などの事情で一旦中断しても、期間内であれば再開できる場合があります。状況が変わったときは、市区町村窓口や事業所に相談してみてください。

受けられる支援の内容

就労定着支援で受けられる主な支援は4つあります。

月1回以上の本人面談

支援員と月1回以上、面談する時間が設けられます。「最近どう?」「困っていることはない?」と話せる場があるだけで、孤独感が和らぎ、課題を早期発見できます。面談は事業所・自宅・職場近くのカフェなど、状況に合わせた場所で行われます。

職場との連絡調整(上司・人事との橋渡し)

本人だけでは伝えづらい配慮事項や困りごとを、支援員が職場(上司・人事)に橋渡しすることもできます。「合理的配慮を追加でお願いしたい」「業務量の調整を相談したい」というときに頼れます。

課題整理・解決のサポート

職場で起きている課題を一緒に整理し、解決の道筋を一緒に考えてくれます。「自分一人だと何が問題か分からない」というときも、支援員と話すうちに見えてくることが多くあります。

生活面の相談(生活リズム・家計など)

仕事と生活はつながっています。睡眠不足、生活リズムの乱れ、家計の不安など、生活面の悩みも合わせて相談できます。

料金(自治体9割負担・自己負担は1割)

障害福祉サービスとして利用料が決まっており、自己負担は1割です。世帯所得に応じて月額上限(0円・9,300円・37,200円のいずれか)が設定されており、多くの方が実質無料〜数千円で利用できます。

支援員が会社に訪問する際は、必ず本人の同意が前提です。「会社にバレるのが嫌」という心配は不要で、本人がOKしない限り支援員が職場に行くことはありません。

就労移行支援との関係・違い

就労移行支援と就労定着支援は、よくセットで語られますが役割が異なります。違いを早見表で整理します。

項目 就労移行支援 就労定着支援
タイミング 就職前(訓練) 就職後(定着サポート)
利用期間 最大2年 最大3年
目的 就職するための準備 就職後に長く働く
主な支援 訓練・求人紹介・面接同行 月1回以上の面談・職場調整
通う頻度 週3〜5日が中心 月1〜数回

役割の違い

簡単にまとめると、移行支援は「就職するため」、定着支援は「就職後に続けるため」です。両者は連続して使うのが基本で、別々に申請するというより、流れの中で自然に切り替わるイメージです。

同じ事業所が両方提供することが多い

多くの就労移行支援事業所が就労定着支援も提供しています。同じ支援員が継続して関わってくれることが多いので、就職活動から職場定着まで一貫してサポートを受けられるのが大きな安心材料です。

利用開始までの流れ(5ステップ)

就労移行支援を利用していた方の場合、定着支援の利用開始までの流れはシンプルです。

1就職前から定着支援の利用を視野に入れる
2就労移行支援事業所と相談
3受給者証の発行(自治体)
4定着支援事業所と契約
5月1回以上の面談がスタート

① 就職前から定着支援の利用を視野に入れる

就労移行支援を利用している段階で、「就職後に定着支援も使いたい」と支援員に伝えておくとスムーズです。

② 就労移行支援事業所と相談

同じ事業所が定着支援も提供している場合、そのままシームレスに切り替えられます。別の事業所を希望する場合も、移行支援事業所が紹介してくれます。

③ 受給者証の発行(自治体)

市区町村に申請して受給者証を発行してもらいます。就労移行支援の受給者証とは別に必要です。

④ 定着支援事業所と契約

利用する事業所と契約を結びます。

⑤ 月1回以上の面談がスタート

契約後、月1回以上の面談がスタートします。「最初は週1にしてもいい?」など、頻度の相談も可能です。

支援員視点|定着支援を活かすコツと終了後の継続支援

「制度があっても使い切れていない」というケースも現場ではよくあります。定着支援を最大限活かすコツと、3年後の継続支援先をお伝えします。

コツ① 「ただ会うだけ」にしない

月1回の面談を「事務的な近況報告」で終わらせるのはもったいないです。事前に「今日話したいこと」を1つでもメモしておくと、面談が一気に有意義になります。「最近、こういう場面で困っている」「この配慮を増やしてもらいたい」など、小さなことでOKです。

コツ② 職場との橋渡し役として使う

自分から職場に伝えづらいことは、支援員に「会社に伝えてもらえますか」と頼んでみてください。第三者が間に入ることで、職場側も受け止めやすくなることがあります。面接対策で伝えた配慮事項の追加・調整も、定着支援の場で進められます。

コツ③ 課題が小さいうちに相談

「これくらい大丈夫」と我慢を重ねると、ある日急に体調を崩してしまうことがあります。違和感を感じた段階で相談するのが、長く働くコツです。

3年後の継続支援先:障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)

就労定着支援は最大3年で終了しますが、サポートが切れるわけではありません。3年後は、地域にある障害者就業・生活支援センター(通称「なかぽつ」または「就ぽつ」)に引き継ぐのが基本ルートです。なかぽつは利用期間に制限がなく、就労中の困りごとを継続的に相談できる無料の窓口です。

ハローワーク・医療機関との連携

ハローワークの専門援助部門や、通院先の医療機関と連携することもできます。複数の支援先と長くつながっておくことが、安定して働き続ける土台になります。

ポイント

定着支援が終了しても、サポートが切れるわけではありません。「定着支援終了≠サポート終了」です。なかぽつ・ハローワーク・医療機関と上手につながり続けることで、長く安心して働けます。

まとめ

就労定着支援について、現場の感覚を交えて解説しました。最後に要点をおさらいします。

  • 就労定着支援は就労移行支援等を経て就職した方の職場定着を支える制度
  • 利用期間は就職後6か月経過後から最大3年間(1年ごと更新)
  • 月1回以上の本人面談・職場との連絡調整・生活面の相談を提供
  • 利用料は1割負担(多くの方が実質無料〜低額)
  • 終了後は障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)等へ引き継ぎ

「就職した後の伴走者」をうまく活用することが、長く安心して働く近道です。詳しい就労移行支援は就労移行支援とは?もあわせてご覧ください。

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※本記事は2026年6月時点の情報です。制度は改正される可能性があるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

※執筆:ふくしのとびら編集部(就労移行支援・自立訓練事業所 現役支援員)

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