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A型とB型どっちがいい?就労継続支援の違いと選び方を支援員が解説

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就労継続支援には「A型」と「B型」の2種類があります。働き方や給料の出方が異なるため、「自分にはどちらが合っているのだろう」と迷う方も多いはずです。

A型は雇用契約を結び、最低賃金が保証されるしっかり働くタイプ。B型は雇用契約を結ばず、自分の体調に合わせて通うタイプです。給料・働く時間・対象になる方の条件もそれぞれ違うため、選び方を間違えると体調を崩したり、思ったような収入が得られなかったりすることもあります。

この記事では、就労継続支援A型とB型の違いを早見表で整理したうえで、それぞれの特徴・選び方の判断軸・段階的に形を変えるケースまで、現役の支援員が現場の感覚を交えてやさしく解説します。「A型がきつい」「B型から一般就労を目指せる?」といった現場でよく受ける疑問にもお答えしていきます。

今回の記事でわかること

  • A型とB型の最大の違いは「雇用契約があるかどうか」
  • A型は最低賃金保証あり、B型は工賃という形での支給
  • 選び方の軸は「体調の安定度」「収入の優先度」「一般就労を目指すか」
  • A型⇄B型、B型→一般就労と段階的に形を変える方は多い(失敗ではない)
  • 事業所選びで失敗しない3つの判断軸
  1. 就労継続支援とは?A型・B型の位置づけ
    1. 障害福祉サービスの中での役割
    2. A型・B型・就労移行支援 3制度の整理
  2. A型とB型の違い|早見表で確認
  3. A型の特徴|雇用契約があり最低賃金が保証される
    1. 雇用契約と最低賃金保証
    2. 給料の目安(令和6年度 約91,451円)
    3. 働く時間・日数の目安
    4. 対象者の条件
    5. 注意点|体調面の負荷
  4. B型の特徴|自分のペースで体調最優先で働ける
    1. 雇用契約なし・工賃という形
    2. 工賃の目安(令和6年度 約24,141円)
    3. 自由度の高い通い方
    4. 対象者の条件
    5. 注意点|収入だけで生活設計するのは難しい
  5. A型とB型、どちらを選ぶ?判断軸
    1. ① 体調の安定度
    2. ② 収入の優先度
    3. ③ 一般就労を目指すかどうか
  6. 支援員視点|段階的に形を変えるケース
    1. A型を辞めてB型に切り替えるケース(無理が祟った時)
    2. B型からA型・一般就労へステップアップするケース
    3. 「失敗」ではない|形を変えることはむしろ普通
  7. 利用開始までの流れ(5ステップ)
    1. ① 情報収集・事業所見学
    2. ② 自治体の障害福祉窓口で相談
    3. ③ サービス等利用計画の作成
    4. ④ 受給者証の発行
    5. ⑤ 事業所と契約・利用開始
  8. 支援員から見る|事業所選びで失敗しない3つの判断軸
    1. 軸① 仕事内容と本人の興味の合致
    2. 軸② 事業所の体制(職員配置・支援の手厚さ)
    3. 軸③ 通いやすさ(距離・時間帯)
  9. まとめ
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就労継続支援とは?A型・B型の位置づけ

障害福祉サービスの中での役割

就労継続支援は、心身の障害や難病があり、一般企業で働き続けることが難しい方が対象の障害福祉サービスです。雇用契約のもとで安定して働けるA型と、体調や生活リズムに合わせて自分のペースで通えるB型があり、どちらも長く利用できるのが大きな特徴です。一般就労を目指す方の「準備期間」として活用される就労移行支援とは、目的も利用期間も異なります。

A型・B型・就労移行支援 3制度の整理

A型とB型は利用期間に上限がなく、合っている方は何年も働き続けることができます。一方、就労移行支援は最大2年で就職を目指す「卒業前提」の制度です。「働き続ける場」と「就職を目指す準備の場」、という違いを最初に押さえておいてください。

A型とB型の違い|早見表で確認

まずは違いをひと目で確認できるよう、早見表にまとめました。

項目 A型 B型
雇用契約 あり(最低賃金保証) なし
月の収入目安 約91,451円(令和6年度平均) 約24,141円(令和6年度平均)
対象年齢 原則18〜65歳未満 制限なし
利用期間 制限なし 制限なし
働く時間・日数 週20時間前後・週4〜5日が目安 体調に合わせて柔軟(週1日〜)
主な対象者 一定の労働力があり、契約に基づき働ける方 体調や障害特性で雇用契約が難しい方

金額は厚生労働省「令和6年度 工賃(賃金)の実績について」より引用しています(公式PDF)。

ポイント

最大の違いは「雇用契約があるかどうか」です。A型は労働者として最低賃金で守られる代わりに、ある程度の労働時間・労働力が求められます。B型は雇用契約がない代わりに、自分の体調を最優先にできるのが強みです。

A型の特徴|雇用契約があり最低賃金が保証される

雇用契約と最低賃金保証

A型では事業所と雇用契約を結びます。最低賃金法が適用されるため、お住まいの都道府県の最低賃金が必ず保証されます。週の労働時間が一定以上であれば、健康保険・厚生年金などの社会保険にも加入できます。

給料の目安(令和6年度 約91,451円)

厚生労働省の令和6年度実績によると、A型利用者の平均月額賃金は約91,451円です。フルタイム就労に比べれば少なめですが、雇用契約に基づく安定した収入が見込めます。

働く時間・日数の目安

週20時間程度・週4〜5日の通所が目安です。事業所によって幅はありますが、「決まった時間に通って働く」のが基本リズムになります。

対象者の条件

原則18〜65歳未満で、雇用契約に基づき継続して働ける方が対象です。「一定の労働力はあるけれど、一般企業の就労はハードルが高い」という方が中心になります。

注意点|体調面の負荷

雇用契約がある分、決まった時間に通う規則性が求められます。体調の波が大きい方や、決まったシフトで動くのが難しい方には合わない場合があり、無理が続くと体調を崩してしまうこともあります。

B型の特徴|自分のペースで体調最優先で働ける

雇用契約なし・工賃という形

B型は事業所と雇用契約を結びません。働いた分に応じた工賃が支払われる形になり、労働者ではないため最低賃金法は適用されません。

工賃の目安(令和6年度 約24,141円)

厚生労働省の令和6年度実績では、B型利用者の平均月額工賃は約24,141円です。これだけで生活費をまかなうのは現実的に難しい金額ですが、障害年金や各種手当との併用で生活設計をしている方が多くいらっしゃいます。

自由度の高い通い方

B型は週1日からでも、午前中だけでも、その方の体調に合わせて柔軟に通えるのが大きな強みです。決まったシフトに縛られず、「体調の波と相談しながら働きたい」という方に向いています。

対象者の条件

年齢制限はなく、50代・60代以上の方の利用も多いのが特徴です。「雇用契約のもとで継続して働くのは難しいけれど、社会との接点を持ちたい、自分のペースで何かに取り組みたい」という方が中心です。

注意点|収入だけで生活設計するのは難しい

工賃だけで生活費をまかなうのは現実的ではありません。障害年金や生活保護、家族のサポートなど、ほかの制度や支えと組み合わせて生活設計をすることが前提になります。

A型とB型、どちらを選ぶ?判断軸

「結局、自分はどちらを選べばいいの?」という疑問に対して、現場でよく使う3つの判断軸をお伝えします。

① 体調の安定度

体調の波が安定していて、決まった時間に通えるならA型が選択肢に入ります。波が大きい、通う時間を読みにくいといった場合は、まずB型から始めて慣れていくのが現実的です。

② 収入の優先度

「ある程度の収入を得ながら働きたい」ならA型。「収入よりも、まずは社会との接点や生活リズム作りを優先したい」ならB型です。

③ 一般就労を目指すかどうか

一般企業への就職を本気で目指す段階なら、A型より就労移行支援のほうが訓練・就職活動のサポートが手厚く、適しています。A型は「働き続ける場」、就労移行支援は「就職を目指す準備の場」という違いを意識してください。

ポイント

迷ったら、B型から始めて少しずつ通う日数を増やし、慣れてきたらA型や一般就労を視野に入れる、という段階的な進め方が現実的です。最初から無理をしてA型を選び、体調を崩してしまうと回復に長い時間がかかります。

支援員視点|段階的に形を変えるケース

現場で見ていると、最初に選んだ形を何年も続ける方ばかりではありません。むしろ、ご自身の状態に合わせて形を変えていく方が多くいらっしゃいます。

A型を辞めてB型に切り替えるケース(無理が祟った時)

「最低賃金が出るから」とA型を選んだ後、決まったシフトで通い続ける負荷で体調を崩し、休職を経てB型に移る方は珍しくありません。これは「失敗」ではなく、ご自身に合った形に整える前向きな選択です。一度休んでから改めて働き始めるためのクッションとして、B型を活用する方も多くいらっしゃいます。

B型からA型・一般就労へステップアップするケース

B型で生活リズムを整え、通所日数や作業時間を少しずつ伸ばし、A型に移行したり一般企業への就職を目指したりする方もいます。「いきなりA型は不安だったけれど、B型で自信がついた」という声を、現場でもよく聞きます。

「失敗」ではない|形を変えることはむしろ普通

A型からB型へ、B型からA型・一般就労へ。どちらの方向への変更も「失敗」ではありません。ご本人の状態に合わせて働き方を調整できることこそ、就労継続支援という制度の大きな価値です。今の形が合わないと感じたら、相談支援事業所や自治体の障害福祉窓口に相談してみてください。

利用開始までの流れ(5ステップ)

A型・B型ともに、利用開始までの流れは共通しています。

1情報収集・事業所見学
2自治体の障害福祉窓口で相談
3サービス等利用計画の作成
4受給者証の発行
5事業所と契約・利用開始

① 情報収集・事業所見学

A型かB型か迷っている段階でも、まずは気になる事業所をいくつか見学してください。雰囲気や作業内容を実際に見ることで、自分に合う方が見えてきます。

② 自治体の障害福祉窓口で相談

お住まいの市区町村の障害福祉課で、就労継続支援の利用希望を伝えます。受給者証申請の手続きもここから始まります。

③ サービス等利用計画の作成

相談支援事業所と一緒に、どの事業所をどのくらい利用するかの計画を立てます。

④ 受給者証の発行

自治体の審査を経て受給者証が交付されます。発行までに数週間〜1か月程度かかることがあります。

⑤ 事業所と契約・利用開始

受給者証を持って事業所と契約を結べば、利用がスタートします。

事業所によって雰囲気・仕事内容・職員さんとの相性は大きく違います。A型・B型ともに、必ず複数の事業所を見学してから決めることをおすすめします。「ここでなら続けられそう」という感覚を大切にしてください。

支援員から見る|事業所選びで失敗しない3つの判断軸

軸① 仕事内容と本人の興味の合致

内職的な軽作業中心の事業所もあれば、パソコン作業・接客・農作業・カフェ運営などに特化した事業所もあります。「興味が持てそうな仕事内容か」が、長く通えるかを左右します。

軸② 事業所の体制(職員配置・支援の手厚さ)

利用者数に対して職員数が十分か、相談しやすい雰囲気か、見学時にしっかり確認してください。「困ったときにすぐ相談できる」体制かどうかは、安心感に直結します。

軸③ 通いやすさ(距離・時間帯)

長く通うためには「通いやすさ」が想像以上に大事です。電車の乗り換えが多い、自宅から遠すぎる、開所時間が体調リズムと合わない、といった事業所は、たとえ内容が魅力的でも続きにくくなります。

まとめ

A型とB型の違いと選び方を、現場の感覚を交えて解説しました。最後に要点をおさらいします。

  • A型は雇用契約あり・最低賃金保証あり、B型は雇用契約なし・工賃という形での支給
  • 月の収入目安はA型 約91,451円/B型 約24,141円(令和6年度実績)
  • 選び方の軸は「体調の安定度」「収入の優先度」「一般就労を目指すかどうか」
  • A型⇄B型、B型→一般就労、と形を変えるのは「失敗」ではなく前向きな選択
  • 事業所選びでは「仕事内容」「体制」「通いやすさ」の3軸を必ず比較する

どちらが合うかは、見学と少しずつの体験で見えてきます。迷ったときは、一人で抱え込まずに相談支援事業所や自治体の障害福祉窓口を頼ってください。一次情報は厚生労働省「障害福祉サービスの内容」もあわせてご確認ください。

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※本記事は2026年5月時点の情報です。制度は改正される可能性があるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。

※執筆:ふくしのとびら編集部(就労移行支援・自立訓練事業所 現役支援員)

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