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「この子の進路、どう選べばいいんだろう」。
小学校の入学が近づいたころから、この問いはずっと続きます。
選択肢の名前は聞くけれど、それぞれ何が違うのか。いつ動けばいいのか。誰に相談すればいいのか。
この記事では、未就学から就職までの進路の全体像を整理します。
各段階の詳しい話は、それぞれの記事にまとめてありますので参考にしてください。
- 未就学から就職までの進路の全体像
- 進路を考え始める時期の目安(就学相談は年長の春〜秋)
- 進路の相談ができる4つの窓口
- 選ぶときに大切にしたい4つの判断軸
発達障害のある子の進路、どんな選択肢がある?
進路は、大きく6つの段階に分かれます。
未就学、小学校、中学校、高校、大学・専門学校、そして卒業後。まずは全体を眺めてみてください。

「正解はない」「選び直せる」が大前提
最初にお伝えしたいことがあります。
進路に「この子にとっての唯一の正解」はありません。
そして、一度選んだら終わりでもありません。
制度のうえでは、就学したあとに学びの場を見直すことができます。支援学級から通常学級へ、通常学級から支援学級へ、という変更です。
ただし変更には教育委員会への相談が必要で、手続きにかかる時間や進め方は自治体によって差があります。思い立ってすぐ、というわけにはいきません。
それでも「一生ものの決定ではない」と知っておくだけで、選ぶときの重さは変わると思います。
この2つを頭に置いておくだけで、選ぶときの力の入りすぎが少し和らぎます。
迷って当然の選択です。ひとりで抱えず、いろんな人の目を借りてください。
段階別に見る、進路の選択肢
各段階でどんな選択肢があるのか、要点だけ並べます。
気になる段階は、そのまま詳しい記事へ進んでください。
未就学期
療育(児童発達支援)を利用しながら、保育園・幼稚園と併用する方が多い時期です。
年長になると就学相談が始まります。ここでの記録が、就学先を考える材料になります。
小学校
選択肢は通常学級・通級指導教室・特別支援学級・特別支援学校の4つ。
いちばん迷いが大きく、いちばん相談が必要な分岐点です。
中学校
小学校からの継続が基本ですが、切り替える方もいます。
思春期に入り、本人が「みんなと同じがいい」と言い出すこともある時期です。高校受験を見据えた準備も始まります。
高校
選択肢がぐっと広がります。全日制、定時制、通信制(サポート校を含む)、高等専門学校、特別支援学校の高等部。
通信制を選んで、自分のペースを取り戻す方も増えています。
大学・専門学校
大学・短大・専門学校では、合理的配慮を受けながら学べます。
入学後は学生相談室が窓口になります。入試の段階から相談できる学校も多いです。
卒業後
一般就労(一般雇用・障害者雇用)のほか、就労移行支援、就労継続支援A型・B型、生活介護、自立訓練といった福祉サービスがあります。
私のいる現場の話をすると、高校卒業後すぐ働くのではなく、自立訓練で生活を整えてから次へ進む方が、この1年で増えました。
働き始める前に、生活リズムの改善や社会性を身につける期間を取る。そういう選び方も定着してきています。この段階を支えるのが自立訓練(生活訓練)です。
進路はいつから考え始める?
「早すぎるかな」と思うくらいで、ちょうどいいです。
どの段階も、動き出しは1年前が目安になります。

就学相談は年長の春〜秋
小学校の就学先を決める就学相談は、多くの自治体で年長児の春から秋にかけて行われます。
ただし時期も呼び方も自治体によって差があります。年中のうちに一度、お住まいの教育委員会に問い合わせておくと安心です。
高校選びは中学2年から
学校見学やオープンキャンパスは、中学2年の後半から動き始める方が多いです。
通信制や特別支援学校の高等部は、実際に見ないと雰囲気がわかりません。早めに足を運んでおくと選択肢が具体的になります。
卒業後の準備は高校2年から
就労移行支援や自立訓練などの福祉サービスを使う場合、受給者証の申請が必要です。
見学や体験にも時間がかかるので、高校2年のうちから情報を集め始めると、卒業後に間が空きません。
進路の相談はどこにする?
ひとりで決めなくて大丈夫です。相談できる場所は、思っているより多くあります。
- 学校の先生・特別支援教育コーディネーター
いちばん身近な相談相手。どの学校にもコーディネーター役の先生がいます - 市区町村の教育委員会(就学相談)
就学先を決める公式の窓口。時期や手続きはここで確認できます - 発達障害者支援センター
各都道府県・政令市に設置。診断や手帳がなくても相談できます - 相談支援事業所
福祉サービスを使うときの計画づくりと、その後の相談窓口
相談先は、ひとつに絞る必要はありません。
学校の見立てと、福祉の見立てが違うこともあります。どちらが正しいかではなく、両方聞いたうえで家庭として決めるのがおすすめです。
進路選びで大切にしたい4つの判断軸
ここからは、選ぶときの拠りどころになる考え方を4つお伝えします。
① 早い段階で決めきらない
「小学校で支援学級を選んだら、その先もずっと支援の道」ではありません。
実際には、学級を変えた方も、高校から通常の進路に戻った方もいます。
今のこの子に合う場所を選ぶ。それで十分です。
② 本人の意思を置き去りにしない
年齢が上がるほど、本人の納得が結果を左右します。
親が良かれと思って決めた進路でも、本人が「決められた」と感じていると、しんどくなったときに踏ん張りがききません。
小さくても選ぶ経験を重ねておくことが、後の力になります。
③ 複数のプロに相談する
学校、医療、福祉。立場が違えば見えているものも違います。
ひとつの意見だけで決めると、視野が狭くなりがちです。違う立場の人に3人聞くくらいがちょうどいいと思います。
④ 合わなければ選び直せる
選び直しは失敗ではありません。
むしろ「合わなかった」と気づけたことのほうが大事です。
今の選択が、この先ずっとを決めるわけではありません。迷ったら、また相談してください。
まとめ
発達障害のある子の進路について、全体像を整理しました。
- 進路は未就学から卒業後まで6つの段階。選択肢はどの段階にもある
- 「唯一の正解」はなく、途中で選び直すこともできる
- 就学相談は年長の春〜秋。ただし自治体によって差がある
- 相談先は学校・教育委員会・発達障害者支援センター・相談支援事業所
- 早く決めきらない/本人の意思/複数のプロに相談/合わなければ選び直せる
迷いながら選んでいくのが、この道のふつうです。
ひとりで抱え込まず、使えるものは使いながら進んでいってください。
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※本記事は2026年7月時点の情報です。制度は改正される可能性があるため、最新の情報は公式サイトでご確認ください。
※執筆:ふく田(就労移行支援・自立訓練事業所 現役支援員)