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居宅介護(ホームヘルパー)とは?対象者・料金・使い方を支援員が解説

居宅介護(ホームヘルパー)とはのアイキャッチ画像(PC版)。対象者・料金・使い方を支援員がやさしく解説。

「一人暮らしで、家事や身体の介助を手伝ってほしい」「在宅で介護している家族の負担を少しでも減らしたい」——そんなときに使えるのが、障害福祉サービスの居宅介護(ホームヘルパー)です。

ただ、いざ調べると「介護保険のヘルパー」や「訪問看護」との違いが分かりにくく、「結局どれを使えばいいの?」と迷う方がとても多いサービスでもあります。

この記事では、居宅介護の基本・受けられる支援・対象者・料金・利用の流れに加えて、介護保険の訪問介護や訪問看護との違いまで、現役の支援員がやさしく解説します。

筆者は就労移行支援・自立訓練事業所で、日々ご本人やご家族の生活相談を受けている現役の支援員です。「自分(家族)は使えるのか」「何を頼めるのか」を判断できるよう、現場の視点でお伝えします。

※本記事は 2026年6月時点 の情報です。制度や金額は改正される可能性があるため、最新情報はお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

今回の記事でわかること

  • 居宅介護は障害者総合支援法にもとづく訪問サービス(ホームヘルパーが自宅へ)
  • 身体介護・家事援助・通院等介助が受けられる
  • 訪問系には重度訪問介護・同行援護・行動援護もあり、対象が異なる
  • 介護保険の訪問介護・訪問看護とは別制度(併用もできる)
  • 料金は原則1割負担+世帯の所得に応じた月額上限

居宅介護(ホームヘルパー)とは?まず基本を押さえる

居宅介護とは、障害者総合支援法にもとづく訪問型の障害福祉サービスです。ホームヘルパーが自宅を訪問し、入浴・食事などの身体介護や、掃除・洗濯などの家事援助を行います。

障害のある方の在宅生活を支えるサービス

障害があって日常生活に支援が必要な方が、住み慣れた自宅で暮らし続けられるように支える——それが居宅介護の役割です。一人暮らしの方はもちろん、家族と同居している方も利用できます。

「介護保険」とは別の制度です

名前が似ているため混同されがちですが、居宅介護は 介護保険とは別の制度です。介護保険が主に高齢者を対象とするのに対し、居宅介護は障害のある方を対象とした障害福祉サービスです。違いは記事後半でくわしく整理します。

住まいの選択肢とあわせて考える

在宅での生活が難しくなってきた場合は、グループホーム(共同生活援助)という選択肢もあります。居宅介護は「自宅で暮らし続けるための支援」、グループホームは「住まいごと支援を受ける選択」と整理すると分かりやすいです。

ポイント

「介護保険のヘルパー」「障害福祉の居宅介護」「訪問看護」は、名前は似ていても根拠となる法律も提供する人も異なります。まずは「居宅介護=障害福祉のホームヘルパー」と覚えておけば十分です。

居宅介護で受けられる支援の内容

居宅介護で頼める支援は、大きく「身体介護」「家事援助」「通院等介助」の3つです。

身体介護(入浴・排せつ・食事など)

入浴や排せつの介助、食事の介助、着替え、体位の交換など、利用者の身体に直接ふれて行う支援です。

家事援助(調理・掃除・洗濯・買い物など)

調理、掃除、洗濯、買い物、薬の受け取りなど、日常生活に欠かせない家事の支援です。一人暮らしの方の生活を支える中心的な内容になります。

通院等介助(通院の付き添い)

病院への通院に付き添い、移動や院内での手続きを支援します。定期的な通院がある方にとって心強い支援です。

「やってもらえないこと」もある

居宅介護は「本人の日常生活に必要な支援」が対象です。そのため、同居している家族の分の家事、来客の対応、草むしりや大掃除といった日常の範囲を超える作業などは、原則として対象外です。何が頼めるかは、利用計画を立てるときに相談して決めます。

訪問系サービスの違い|居宅介護・重度訪問・同行援護・行動援護

障害福祉の訪問系サービスは、居宅介護だけではありません。対象や目的によって、次の4つに分かれます。

サービス 主な対象 主な内容
居宅介護 区分1以上の幅広い障害 身体介護・家事援助・通院等介助
重度訪問介護 重度の肢体不自由・重度の知的/精神障害 長時間の介護+見守り・外出支援
同行援護 視覚障害 外出時の移動・情報の提供
行動援護 知的・精神障害で行動に著しい困難がある方 外出時の危険回避・行動の支援

重度訪問介護(重度の方の長時間支援)

重度の肢体不自由などで常に介護が必要な方が、長時間にわたって介護と見守りを受けられるサービスです。居宅介護よりまとまった時間の支援が前提になります。

同行援護(視覚障害の外出支援)

視覚障害のある方の外出に同行し、移動の支援や、周囲の状況・文字情報の提供を行います。

行動援護(外出時の危険回避)

知的障害や精神障害により、一人での外出に著しい困難がある方に対し、外出時の危険を回避しながら行動を支援します。

対象になる人|障害支援区分とは

居宅介護を使えるかどうかは、「障害支援区分」という尺度をもとに判断されます。

障害支援区分(区分1〜6)の位置づけ

障害支援区分は、必要な支援の度合いを示すもので、非該当・区分1〜6に分かれます。数字が大きいほど支援の必要度が高いことを表します。

居宅介護は区分1以上が目安

居宅介護は、原則として 障害支援区分1以上の方が対象です。身体・知的・精神障害のほか、難病等の方も対象になり得ます。

手帳の有無だけでは決まらない

「障害者手帳を持っているか」と「障害支援区分」は別物です。サービスの利用可否は区分の認定で決まるため、手帳の等級だけで判断はできません。手帳そのものについては 障害者手帳とは? もあわせてご覧ください。

料金(自己負担)の目安

居宅介護の自己負担は、原則1割です。ただし、世帯の所得に応じて月ごとの上限額が決まっているため、使った分だけ青天井に増えることはありません。

世帯の所得に応じた4つの負担上限

区分 世帯の状況 月額上限
生活保護 生活保護受給世帯 0円
低所得 市町村民税非課税世帯 0円
一般1 市町村民税課税世帯(一定所得未満) 9,300円
一般2 上記以外 37,200円

関連して、在宅で重度の障害がある方には 特別障害者手当 が支給される場合があります。あわせて確認しておくと安心です。

負担上限額や区分の基準は年度や世帯状況によって変わります。食材費などの実費は別途かかります。正確な金額は、必ずお住まいの市区町村の障害福祉担当課でご確認ください。

利用までの流れ(申請ステップ)

居宅介護は、市区町村への申請から利用開始まで、おおむね次の流れで進みます。

1市区町村の障害福祉担当課に相談する
2サービスの利用を申請する
3認定調査を受け、障害支援区分が判定される
4サービス等利用計画を作成する(相談支援専門員と)
5支給決定(使える時間=支給量が決まる)
6事業所と契約し、利用を開始する

使える時間(支給量)は市区町村が個別に決定します。一律ではないため、必要な支援を相談支援専門員にしっかり伝えることが大切です。

「介護保険の訪問介護」「訪問看護」との違い(最重要)

居宅介護とよく混同されるのが、介護保険の「訪問介護」と、医療系の「訪問看護」です。違いを表で整理します。

居宅介護 介護保険の訪問介護 訪問看護
根拠 障害者総合支援法 介護保険法 医療保険/介護保険
来る人 ホームヘルパー ホームヘルパー 看護師など
主な内容 身体介護・家事援助 身体介護・生活援助 医療的ケア・健康状態の観察
医師の指示書 不要 不要 必要
主な対象 障害支援区分のある方 要介護認定を受けた高齢者など 医療的ケアが必要な方

介護保険の訪問介護との違い(根拠法・65歳問題)

提供される支援内容は似ていますが、根拠となる法律が違います。そして重要なのが「65歳の壁」です。65歳以上の方や、特定の病気に該当する40〜64歳の方は、原則として介護保険が優先されます。ただし、重度訪問介護など障害福祉ならではのサービスは、65歳以降も継続して使える場合があります。

訪問看護との違い(医療か生活援助か)

訪問看護は、看護師などが自宅を訪問し、点滴・服薬管理・健康状態の観察といった医療的なケアを行うサービスです。医師の指示書が必要で、根拠も医療保険や介護保険になります。一方、居宅介護のホームヘルパーが行うのは生活援助・身体介護で、医療行為はできません。「看護師が来て医療的なことをする」のが訪問看護、「ヘルパーが来て生活を支える」のが居宅介護、と整理すると分かりやすいです。

居宅介護と訪問看護は併用もできる

両者は別制度なので、必要に応じて併用できます。たとえば「医療的ケアは訪問看護、家事や入浴の介助は居宅介護」というように、役割を分けて両方を使っている方もいます。

支援員視点|居宅介護の使いどころ

最後に、現場から見た居宅介護の活かし方をお伝えします。

「家事だけ」「通院だけ」のスポット利用もできる

「全部おまかせ」でなくても構いません。「週に数回、掃除と買い物だけ」「通院の日だけ付き添い」といった、必要な部分だけのスポット利用も可能です。

一人暮らしを支える土台になる

居宅介護があることで、「一人暮らしは難しいかも」と思っていた方が、自宅での生活を続けられるケースは少なくありません。生活の土台を支える存在です。

家族の介護負担を減らす視点

在宅で介護するご家族にとっても、居宅介護は介護負担を減らす大切な手段です。家族だけで抱え込むと共倒れになりかねません。「使えるサービスは使う」という割り切りも、長く介護を続けるためには必要です。

ポイント

「何を頼めるか分からない」「区分がつくか不安」という段階でも大丈夫です。まずは市区町村の窓口や相談支援専門員に相談してみてください。将来の備えという観点では 成年後見制度 とあわせて考えておくと安心です。

まとめ

  • 居宅介護は障害者総合支援法にもとづく訪問サービス(ホームヘルパーが自宅へ)
  • 身体介護・家事援助・通院等介助が受けられ、必要な部分だけの利用も可能
  • 対象は障害支援区分1以上が目安。手帳の等級だけでは決まらない
  • 料金は原則1割+世帯所得に応じた月額上限
  • 介護保険の訪問介護・訪問看護とは別制度で、訪問看護とは併用もできる

居宅介護は、障害のある方が住み慣れた自宅で暮らし続けるための、心強い支えになります。「使えるか分からない」と迷ったら、まずは相談から始めてみてください。

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※本記事は 2026年6月時点 の情報です。制度や金額は改正される可能性があるため、最新の情報はお住まいの市区町村の窓口や公式サイトでご確認ください。

※執筆:ふくしのとびら編集部(就労移行支援・自立訓練事業所 現役支援員)

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