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自立訓練(生活訓練)とは?対象・内容・他サービスとの違いを解説

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「そろそろ動き出したい。でも、いきなり働くのは自信がない」。

そんなふうに感じている方に、知っておいてほしい制度があります。

それが自立訓練(生活訓練)です。

生活リズムを整えたり、日常生活のスキルを身につけたりしながら、次の一歩(就職や自立した日常生活)に向けた土台をつくる障害福祉サービスです。

この記事では、実際の支援内容、よく混同される他のサービスとの違い、卒業後の進路まで、分かりやすく整理します。

今回の記事でわかること

  • 自立訓練は「生活を整えて、次の一歩の土台をつくる」障害福祉サービス
  • 2つの種類がある(機能訓練=身体障害/生活訓練=知的・精神障害)
  • 標準の利用期間は生活訓練で2年、機能訓練で1年6か月
  • 料金は原則1割(非課税・生活保護世帯は0円)

自立訓練(生活訓練)とは?基本を押さえる

「生活を整える」ための障害福祉サービス

自立訓練は、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスのひとつで、障害のある方が自立した日常生活や社会生活を送れるように、心身の回復や生活リズムの調整を支援するサービスです。

いちばんの特徴は、「働く」より一歩手前の「生活を整える」を支えるところ。

生活リズム、金銭管理、人との関わり、外出など、日常の土台を整えていきます。

2つの種類(機能訓練と生活訓練)

自立訓練には、対象や目的が違う2つの種類があります。

種類 主な対象 中心的な支援
機能訓練 身体障害・難病のある方 歩行や家事など身体機能の回復・維持(リハビリ中心)
生活訓練 知的・精神障害(発達障害を含む)のある方 生活リズムや日常生活スキルを整える

この記事では生活訓練を中心に説明します。

通所が基本。訪問や「宿泊型」もある

事業所に通う「通所」が基本ですが、自宅への訪問で支援する形もあります。

また、施設や事業所の設備を利用し、家事などの自立した生活能力を向上させるための宿泊型自立訓練もあります。

どんな人が対象?実際にどんな人が利用しているか

自立訓練を利用している方の例。生活リズムが崩れた、人と関わるのが不安、卒業後の進路を考え中、働くイメージがわかない

対象になる人

生活訓練の対象は、障害のある方で、原則18歳以上65歳未満、生活能力の維持・向上のための支援が必要な方です。

障害者手帳がなくても、医師の意見書などで利用できる場合があります。

実際に利用している方のケース

実際には、こんな方が利用しています。

  • 発達障害や、うつ・適応障害などで生活リズムが崩れてしまった方
  • 人との関わりに自信をなくしている方
  • 特別支援学校を卒業して、次の進路を考えている方
  • 自分が働くイメージを、まだ思い描けない方
  • 将来の目標が、はっきり定まっていない方

何をする?支援内容と一日の流れ

支援内容

支援内容は事業所によって幅がありますが、大きくは次のような内容です。

  • 生活リズムを整える
    決まった時間に通うことで、朝起きて活動する習慣をつくる
  • 日常生活スキル
    料理・掃除・金銭管理・公共交通の使い方など
  • コミュニケーション・グループ活動
    人との関わり方を、無理のない範囲で練習
  • 体調管理
    自分の調子の波を知り、崩れる前に対処する方法を一緒に考える

一日の流れ(例)

事業所によって違いますが、おおまかに次のようなイメージです。

10:00 健康チェック
11:00 プログラム
12:00 昼食
13:00 グループ活動や個別の課題
15:00 1日の振り返り

「その人のペース」で進める

個別支援計画をつくり、目標も進み方もひとりずつ変えていきます。

「週2回、午前だけ」など、通所の頻度や滞在時間も人それぞれです。

ふく田

「まず来られただけで十分」というところから始める方も、たくさんいます。いきなり全部やろうとしなくて大丈夫です。

他のサービスと何が違う?

自立訓練は、名前の似たサービスがいくつもあって混乱しやすいところです。

「生活を整える → 働く準備をする → 働く」

という段階で考えると、位置づけがすっきりします。

自立訓練から働くまでの段階マップ。自立訓練で生活を整えたあと、就労移行支援を経て一般就労へ進むルートと、就労継続支援A・Bで働くルートに分かれる

就労移行支援との違い

就労移行支援は「働く準備」のためのサービスで、就職活動や職場実習などを行います。

自立訓練はその一歩手前で「生活を整える」段階です。

生活のリズムがまだ不安定なら自立訓練、働くことが視野に入ってきたら就労移行、というイメージです。

くわしくは就労移行支援とは?もあわせてご覧ください。

就労継続支援(A型・B型)との違い

就労継続支援は「働く場」そのもので、支援を受けながら実際に働いて工賃や給料を得ます。

自立訓練は働く前の生活づくりの段階なので、目的が違います。

機能訓練・自立生活援助・デイケアとの違い

機能訓練は同じ自立訓練でも身体障害向けです。

自立生活援助は、すでに一人暮らしを始めた人を訪問で支える別のサービスです。

医療機関のデイケアやリワークは治療の一環という位置づけで、自立訓練は福祉サービスという違いがあります。

迷ったら「今の自分に必要なのは、生活を整えることか、働く準備か、働く場か」で考えると選びやすくなります。

利用期間・料金・利用開始までの流れ

標準の利用期間

標準の利用期間は、生活訓練が2年、機能訓練が1年6か月です。

標準の期間を超えても支援が必要と認められる場合は、自治体の審査を経て最大1年の延長ができることもあります。

2年間を使い切る必要はありません。目標が達成できたら、そのタイミングで次の一歩を踏み出せば大丈夫です。

料金

料金は障害福祉サービス共通で、原則1割の自己負担です。世帯の所得に応じて、ひと月の上限額が決まっています。

区分 月額上限
生活保護受給世帯 0円
市町村民税非課税世帯 0円
市町村民税課税世帯(一般1・年収約600万円未満) 9,300円
市町村民税課税世帯(一般2・年収約600万円以上) 37,200円

ここでの「世帯」は、18歳以上の方なら本人と配偶者のみで判断します(同居する親などの収入は含みません)。

利用開始までの流れ

利用開始から卒業までの流れ。相談、見学・体験、受給者証の申請、契約・利用開始、訓練を経て卒業
ポイント

事業所によって雰囲気やプログラムがかなり違います。1か所で決めず、いくつか見学・体験してから選ぶのがおすすめです。合わなければ変えられます。

卒業後は?次の進路

自立訓練は「ここで終わり」ではなく、次の一歩の土台をつくる場所です。

卒業後の進み先は、たとえばこんな選択肢があります。

  • 就労移行支援
    生活が整ったら、働く準備の段階へ進む
  • 就労継続支援・一般就労
    働く場へ進む
  • 一人暮らし・グループホーム
    自身の望む生活に進む
あわせて読みたい

▼ 卒業後に「働く」へ進むなら

就労定着支援とは?働き続けるための支援

▼ 卒業後の「住まい」を考えるなら

グループホーム(共同生活援助)とは?

迷ったとき

生活リズムや体調が整っていないまま働き始めると、かえって長続きしないことがあります。

まず日常生活の土台を整えることは、遠回りではなく近道です。

「自分に合うかな」と迷ったら、次のように進めてみてください。

  • 「生活を整えること・働く準備・働く場」のどれが今の自分に必要かで考えてみる
  • 気になる事業所を見学・体験してみる
  • 相談支援事業所や市区町村の窓口で、一緒に考えてくれる人を見つける

まとめ

「何から始めればいいか分からない」と感じているなら、自立訓練はその最初の一歩になり得ます。

焦らず、生活を整えるところからで大丈夫です。

制度の詳細は厚生労働省「障害福祉サービスの内容」もあわせてご確認ください。


※本記事は2026年7月時点の情報です。制度や金額は変わることがあるため、最新・詳細はお住まいの自治体の窓口でご確認ください。

※執筆:ふく田(就労移行支援・自立訓練事業所 現役支援員)

ふく田

この記事を書いた人

ふく田

一般企業の営業事務、フリーランス(Web制作)を経て、障害福祉の世界へ。現在は就労移行支援・自立訓練の現場で、一人ひとりの目標に寄り添い、就職や生活の安定に向けた支援を行っています。

一般企業と福祉の両方を経験した立場から、複雑で分かりづらい制度をできるだけかみ砕き、「こんな支援があったんだ」と新しい選択肢に出会える情報を発信しています。

記事は、厚生労働省など公的機関の一次情報を確認したうえで執筆しています。

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